組替え絵画2015ー共存/鏡存(『宇宙をみる眼ーアートと天文学のコラボレーション』展より)

組替え絵画2015ー共存/鏡存

全体移り込みs

左s
(展示風景)


作品部分1s

(作品部分)

作品部分2s
(作品部分)

作品部分s
(作品部分)

反射右1s

作品タイトル:組替え絵画2015ー共存/鏡存

素材・制作方法など:水彩絵具、綿布、ワークショップ、インスタレーション
山ノ内町立志賀高原ロマン美術館(長野)展示風景(2015年)
『宇宙をみる眼ーアートと天文学のコラボレーション』展より

作品コメント

『もはや日常の至る所に、そして個々の中に、宗教/宇宙は存在している』
長野県野辺山にある国立天文台で、「見えないけれど、日常の至る所に存在にしている電波」があふれる静寂した空間で、この言葉を思い出し、自分の作品と重なりました。
「個々の中に、存在している宗教/宇宙」とは、「個々の価値観」です。

出品作品の「組替え絵画」シリーズでは、ワークショップ参加者の行為が軸となっています。作品制作を目的としないワークショップで出来た素材を、トリミングカットなど最小限の制作で作品として仕上げ、空間に合わせて展示しています。ワークショップの内容は、床一面に敷き詰められた巨大な綿布(紙)の上で、参加者が全身で絵具体験(遊び)を行うというものです。
制作方法としてワークショップを取り入れている理由は、作品となる綿布(紙)に、偶然できる絵具の痕跡(残物)を作るためです。天地左右など絵画的制作を意識しえない広さの綿布(紙)を床に敷き詰め、その上で不特定多数の参加者が、全身で絵具体験/遊びをします。そして、それらの綿布や紙(痕跡)をトリミングカットなどの最小限の作業で、作品を制作します。ここでは参加者が不特定多数であるため、個(作者)が意味を持ちません。

このようなワークショップで残された素材は、単なる偶然の痕跡(残物)です。そこからトリミングカットなどの作業を通して、作家によって「何か」が拾い上げられます。拾い上げた「何か」は、作品として仕立てられ、空間において展示という位置を持った時、再び鑑賞者/参加者によって「個々の何か」として見いだされ、意味が生まれます。
「あると思えば/意識すれば、至る所に存在している」。個々の価値観を通して立ち表れてくるもの。それが作品を通して私が伝えたいことです。